あなたはどちらを選択しますか?〜fast v.s. slow〜

あなたはどちらを選択しますか?〜fast v.s. slow〜

みなさんいったい何のこと?とお思いでしょうが、今日は手術の中で、
特に白内障手術におけるfast surgeryとslow surgeryについて僕の考えを書きたいと思います。
現在の日本で最も多く行われている内眼手術が白内障手術です。
その数、年間約100万眼といわれています。
多くの眼科医が白内障手術を行っているのですが、その手術時間はさまざまです。
例えば5分前後で白内障手術ができる眼科医もいれば、5〜10分程度、10分〜15分程度、15〜30分程度、30分以上かかる眼科医もいると思います。

では、手術時間は早いほうがよいのか遅いほうがよいのか?
僕の答えは当然!早いほうがよいと考えています。
その理由の主なものとして、fast surgeryを行うことによって、
1.患者さんの肉体的・精神的負担を軽減できる。
2.超音波時間や眼内潅流量を減らすことにより、眼への侵襲を軽減できる。
3.感染症のリスクを軽減できる。
などのメリットが考えられます。
決してslow surgeryが悪いと言っているわけではないのですが、
手術手技や医療機器が進歩した今日の白内障手術において、
僕は白内障手術にかかる手術時間で許容できる範囲は、15分以内くらいではないかと思っています。

時間をかけて?白内障手術を行っている眼科医の中には、そんなに短時間の手術で雑な手術をやってるんではないの?本当にきちんとした手術ができてるの?などのよく意味がわからないことを聞いてくる方々もいるのですが、答えはNoです。
そのようなことをいう眼科医に、それでは雑な手術でもいいから手術時間を短縮できるかというとそれは不可能です。
何故なら、短時間の手術は雑では決して行うことはできません!!一つ一つの手術操作を丁寧に全く無駄なく完璧に行ってこそ手術時間の短縮が可能だからです。

僕は白内障手術時、水晶体を吸引した後、後のう研磨を行い、IOLの中心固定も調整し、粘弾性物質もIOLの後ろまでしっかり除去し、きちんとした手術を行っておりますが、的確で無駄のない操作を行えば、短時間での手術は十分に可能です。

今日も午後から、白内障手術を中心に、IOL縫着手術1例を含めて、計14例
(今週合計で60例)の手術を行う予定です。


さあ皆さん、あなたはどちらを選択しますか?〜fast v.s. slow〜