Piggy bag法

花粉症の猛威は相変わらずすごいですねー
僕も全身の倦怠感に襲われながら、診療を続けてます。
昨日は、白内障手術×11件+硝子体手術×3件の手術を行いました。
硝子体手術は、最近のマイブーム=25G極小切開無縫合手術+ワイドビュー(resight)+フォトンⅡのシステムで行いました。
先程手術後の診察をしましたが、患者さんの違和感や手術後の炎症も少なく、経過良好でした。
昨日の手術の中の1例で、眼内レンズ(IOL)のpiggy bag法を行いましたので、少し紹介いたします。
この患者さんは、1年程前に他医で両眼白内障手術を受けたのですが、
手術後の屈折度数が、+5Dととんでもない遠視になり、当院を受診された患者さんです。
白内障手術後に、リフラクティブエラーが出ることがあるのは、どうしようもないことなのですが、
ここまで極端な遠視や近視などのずれが出た場合は、
患者さんによーく説明したうえで、早めにIOLの入れ替えをしてもよかったのではないかなーと僕は思いました。
わずかな度数ずれであれば、眼鏡やLASIKで矯正すればよいのですが、
この患者さんには、前回の手術後約1年が経過し、アクリル製IOLが水晶体嚢と強固に癒着しているので、IOL入れ替えは手術的に難しい。
そのため、今入っているIOLの上に、度数の補正を考慮したIOLをもう一枚入れる手術が、
安全で手術後の度数の予測もよいのではないかと思う旨ご説明し、昨日piggy bag法にて手術を行いました。
手術は、現在アクリル製IOLが入っておりますので、PMMA製IOLをBENT&FROWN変法切開にて眼内に挿入しました。
本日度数を検査したところ、リフラクションはほぼ0になっており、
患者さんも「よーく見えるようになった!!」と大変喜んでおられました。
患者さんにこの一言をいただくことが、眼科医になってよかったなーと心から思う瞬間です。
これからも、患者さんに満足頂くような安全で最適な治療を提供できますように、
スタッツフを含め、日々努力をしてまいりたいと思っております。