硝子体手術の「嵐」

今週・来週の予定手術で、硝子体手術を週6例ずつ、計12例施行する予定です。
ここに網膜剥離などの緊急手術が入ると、なかなか大変です。
硝子体手術の原因疾患は、糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症、黄斑上膜など様々ですが、
この様に硝子体手術が増えている要因として、
1、医療技術・医療機器の目覚ましい進歩があります。
新たな手術手技の開発や、小切開(25ゲージ:約0.4mm)で手術を施行できる医療機器の開発など、
以前では治療が困難であった眼の病気が、より安全に治療可能となり、手術適応が飛躍的に拡がりました。
そのような眼の病気になった患者さんたちには、大きな福音となっていることでしょう。
2、その他の要因としては、硝子体手術可能な医師の不足による、手術施行可能施設の減少があります。
僕が国立嬉野病院(現嬉野医療センター)眼科に勤務していた時代は、嬉野医療センターも硝子体手術を施行していたので5施設だったのですが(ちなみに現在唐津・東松地区には硝子体手術の実施可能な施設はありません。)、現在の佐賀県で、硝子体手術が施行可能な施設は、当施設を含み4施設しかありません。
佐賀県の人口約86万人を単純に割っても、各施設当たり22万人弱の人口(佐世保市の人口より少し少ないくらいです。)をカバーする必要があります。
さらにそのうち3施設が佐賀市内にありますので、佐賀県南西部地区で硝子体手術実施可能施設は当院のみという現状です。
では、硝子体手術を施行できる医師を増やせばいいのではないか?という発想になるかと思いますが、
硝子体手術ができる程の、眼科手術のスペシャリストの養成にはかなりの時間(10年くらいかな?)を必要とするので、
今後も短期的にはこのような状況が改善される見込みはほとんどないと思われます。
したがって、当院では患者さんに最高な医療を提供する為に、硝子体手術・白内障手術の手術環境の更なる向上を目指し、
現在の硝子体手術・白内障手術の手術機械を、今年6月に、アメリカ(今はスイスになるのかな?)のA社から発売される、
硝子体手術・白内障手術の最新・最高の手術機械への更新を決定いたしました。
LASIK手術を行うエキシマレーザー手術装置と並んで、もちろん佐賀県(ひょっとしたら九州?)初登場の予定です。
また詳しくは後日紹介いたしますが、今後も、もう一つ、屈折矯正手術・角膜移植手術分野での最新手術機械の新規導入を予定しています。
医療法人永世会の「理念」である、
「手術・レーザーを柱とした高度な眼科医療の提供」を実現し続けるするために、
医師を中心としてスタッツフ一同、患者さんのために努力して行くことをお約束いたします。