「小瞳孔」の白内障手術について。

月末のいろいろな事務的な仕事を処理する為、今日の午後からの手術はお休みです。
ということは、当然昨日の手術数にそのしわ寄せが来ているわけで・・・
月曜日には、「光線力学的療法(PDT)」を2件、
火曜日には、白内障手術×12件、黄斑円孔の硝子体手術×1件、その他×2件の手術を行いました。
昨日の白内障手術の中で、縮瞳剤の使用の為、瞳孔径3mm弱の、小瞳孔の症例がありました。
通常の白内障手術では、手術を安全に行うため、瞳孔を大きく開く必要があります。
小瞳孔の白内障手術時の瞳孔拡張の方法として、おおまかには
(1)高分子量の粘弾性物質(ヒーロンV、など)による拡張
(2)フックなどの器具による物理的なストレッチ
(3)Iris retractorやベーラ氏式瞳孔拡張器などによる拡張
(4)八重式虹彩剪刀などの剪刀による虹彩切開
などがありますが、
僕は、少々の小瞳孔症例では(2)のみで、普通に手術を行っています。
昨日の症例では「(1)sphincterotomy+(4)オペガンハイ」の方法を使用しました。
そうすることによって、術後の瞳孔の拡張を少なくすることができました。
本日術後を診察してみますと、普通の形の瞳孔なってました。

普通の白内障を、普通に手術することが、最も重要なことだと思います。
しかし白内障手術も、ノーマルなものから、色々な合併症を持ったものまで、さまざまな白内障手術があります。
佐賀県南部・西部地区では、白内障の進行度も高く、色々な白内障手術を行う機会が、都市部に比べると多いような印象です。
少々大変ではありますが、いわゆる「難症例」と呼ばれるような白内障の手術を行っていくことも、白内障手術の一つの「醍醐味」ではないかと感じている、今日この頃です。