たまたま?「新たな発見」?

今週もいろいろな手術を行いましたが、そのうち硝子体手術は5件行いました。
今までもブログに書いてきましたが、最近の僕の硝子体手術のスタンダードは、
ワイドビューシステム+フォトンⅡを使用した、25G小切開無縫合硝子体手術です。
また、必要な場合は、眼内内視鏡も適宜併用しております。
眼内照明装置であるフォトンⅡは、従来のフォトンⅠに比べて非常に明るく、網膜の光障害をより軽減するフィルターが採用され、安全性も向上されています。
それに伴って、照明の光の色が、白色→黄緑色に変更されています。
成熟白内障や硝子体出血を伴った白内障手術を行う際には、眼内から水晶体の前嚢をレトロに照らして見ると、フォトンⅡは黄緑色の照明なので、フォトンⅠに比べて、手術顕微鏡下での視認性が向上します。
逆に、硝子体手術で内境界膜を行う際には、フォトンⅡは黄緑色の照明なので、フォトンⅠに比べて、手術顕微鏡下での視認性が低下します。
その為に僕は、内境界膜が見えずらい症例の硝子体手術では、時々白色の眼内照明を併用して、内境界膜剥離を行っておりました。
しかし今週たまたま?、手術顕微鏡の眼内レーザーのフィルターがそのままになったことを忘れて内境界膜剥離を行っていたところ、
黄緑色の光とレーザーフィルターの薄い赤色が打ち消しあって、内境界膜が今までには経験したことない視認性に富む見え方になっていることに気付きました。
(ちなみに内境界膜剥離時には、ICGやケナコルトAは不使用です。)
その後の全ての硝子体手術で、内境界膜剥離時だけではなく硝子体手術全般にわたって、このフォトンⅡ+レーザーフィルターを使用して硝子体手術を行いましたが、ちょうどよい色の具合いで眼内を観察することができました。
硝子体手術に時使用する眼内照明装置は、いろいろなメーカーからいろいろな機器が発売されており、僕は現在日本国内で入手可能な眼内照明装置は一通り使用してみましたが、この見え方はかなり気に入りました。
全くの偶然ではありましたが、「新たな発見」?ができて、なんだかハッピーな気分で手術することができました。
(注:上記の感想はあくまで個人的なものであり、見え方の感じ方は個人によって異なります。)