「Capsular Tension Ring:CTR」について。

先週・今週の白内障手術のうち、3症例でチン氏帯の断裂があり「CTR」を使用しました。
もちろん、元々のチン氏帯の断裂で、手術操作で断裂したものではないことを予めご説明しておきます。
今までも、時々こういった症例に当たって「CTR」を使用していたのですが、
今回の2症例は、約50度のチン氏帯の断裂があり、「CTR」の使用ぎりぎりで、
残りのチン氏帯が結構強かったので、何とかIOLを無事挿入することができました。
長期間経過観察を行っていくと、水晶体嚢の収縮により徐々にIOLが偏位してくることがあるので、IOL逢着とどちらがいいのか迷うところではあるのですが、
僕の場合、まずは眼球の解剖学的構造を維持するため、「CTR」+IOLの嚢内への挿入を行い、後々IOLが偏位してくるようであれば、摘出+IOL逢着を行っております。
いずれにしても、いろいろな小技と経過観察が重要であると思いました。