「全身麻酔手術」

昨日は予定手術の日でした。
久しぶりに、「全身麻酔」下の手術を、2件行いました。
1件目は、白内障加齢黄斑変性に対して、
水晶体再建術+ルセンティス硝子体内注射+ケナコルトAテノン嚢内注射を行いました。
局所麻酔でも手術可能なのですが、患者さんが手術に対する恐怖心が非常に強く、
全身麻酔下での手術を希望されました。
加齢黄斑変性AMD)の治療は、最近はルセンティスに代表される、抗VEGF抗体の硝子体内注射が主流になっています。しかし、この治療のみでAMDを治癒させることはできません。ルセンティスの注射だけでは、4週に1回、延々と注射を繰り返すケースもあります。
そこで、ルセンティスなどの抗VEGF抗体の注射をメインに、光線力学的療法(PDT)、ケナコルトAのテノンあるいは硝子体注射を組み合わせて行い、ルセンティス注射の回数を減らすようにしております。

2件目は、裂孔原性網膜剥離に対して、網膜復位術を行いました。
以前は、局所麻酔で行っていたのですが、手術時の疼痛や患者さんの負担を考えて、昨年からは「全身麻酔」にて手術を行うようになりました。

いずれも1泊入院で、本日診察後に退院となりました。
経過は良好で、網膜剥離も復位していて、ほっとしました。
実際、網膜剥離の手術後の1日目の診察の時は、復位しているかどうか「どきどき」します。

麻酔科の先生の協力もあって、昨年の12月より「全身麻酔」による手術を行うことが可能になりました。
治療方法だけでなく、麻酔方法の選択肢を拡げ、より安全な手術の提供を行ってまいりたいと考えております。