フェイキックIOL

今日は久しぶりのお休みです。
5月末に、大阪でのJSCRS(日本白内障眼内レンズ屈折矯正学会)以来、土日を含んで全く休みがなく、外来診療・手術・その他の打ち合わせなどに追われる毎日でした。
今日は朝から病院で、8月に手術予定患者さんのフェイキックIOLの計算&オーダーをしています。
フェイキックIOLという言葉は、あまり聴き慣れない言葉とは思いますので、ここで少し説明をしたいと思います。
フェイキックIOLは、白内障手術やLASIKなどと同じで、近視・遠視・乱視など屈折異常を矯正する、いわゆる「視力矯正手術」の一つの方法です。
角膜(黒目)が薄かったり、近視が非常に強い患者さんには、LASIKを行うことができません。
フェイキックIOLは、LAISKが施行できない患者さんに行う視力矯正手術で、わかりやすく言うと、ハードコンタクトレンズのようなレンズを直接眼の中に入れて、視力の矯正を行う方法です。
当院では、昨年の7月よりLASIKを開始し、1年間で約300件のLASIK手術を行いました。しかし上記のような理由で、LASIKを受けられない患者さんも結構おられて、ないか他によい治療方法がないかと考え、フェイキックIOL手術を行うことになりました。
去年の12月、冬のオランダへ講習会を受けに行ってきました。成田空港からオランダのスキポール国際空港までは、JALの直行便で約13時間かかりました。(現在はJALの成田⇔アムステルダムは廃止になっているようです)アムステルダムの旧市街地は佐世保ハウステンボスそのままのような街で、国によって街並みが保存・整備されていました。アンネフランクの隠れ家やゴッホレンブラントゆかりの場所など、歴史を非常に感じさせられる街でした。
フェイキックIOLの供給元であるOPHTEC社(http://www.ophtec.com/)は、アムステルダムから列車で約3時間、オランダ北部の州都フローニンゲンというところにあります。アムステルダムで前後泊し、フローニンゲンに1泊、機中泊を含めて、計3泊5日の弾丸ツアーでした。
OPHTEC社では、丸一日すべて英語でのレクチャーと実技講習を受け、めでたくライセンスを取得し、今年の3月よりフェイキックIOLによる治療を開始しました。
患者さんの治療後の経過は、術後の度数の変化がほとんどなく、安定した視力が出ております。患者さん満足度も非常に高く、オランダまでいった甲斐があったなーと僕自身としても満足できるものでした。
今年8月下旬には、京都で行われる、ICLという種類の異なったフェイキックIOLの講習会に参加予定です。
屈折矯正手術は、バリエーションが多彩で、それぞれの治療法ごとに適応、特徴、弱点が異なります。
当院では、より多くの種類の治療の選択肢を患者さんに提示し、適切な治療を提供できるように、今後も日々努力して行きたいと考えています。