IFIS(Intraoperative Floppy Iris Syndrome:術中虹彩緊張低下症)

IFIS(Intraoperative Floppy Iris Syndrome:術中虹彩緊張低下症)
皆さん聞き慣れない言葉と思います。
先週今週と立て続けに、IFISの患者さんの白内障手術を行いました。
IFISとは、前立腺肥大症の治療の為、ハルナール®フリバス®ユリーフ®などのα1ブロッカーを内服されている患者さんの白内障手術時に見られる現象のことです。
α1ブロッカーを内服している患者さん全員に起きるというわけではありませんが、
最近このような患者さんの手術に、たびたび遭遇します。
具体的には、白内障手術時に水晶体を超音波で乳化吸引している際に、虹彩が縮んで(縮瞳)、ひらひらしてきて、手術の難易度がググーッと上がります。
手術前の検査の際に、詳細な診察と病歴の聴取を行うことによって、
事前にIFISの可能性があるかどうかの判断はできますが、
実際の白内障術の際の対応は、ケースバイケースで対応する必要があります。
その対処方法としては、以前にも少しブログに掲載しましたが、
まず、眼内潅流量を減らす。
次に瞳孔の拡張(各種の瞳孔拡張器具を使用する。瞳孔縁を切開する。)
+瞳孔拡張の維持(ヒーロンV®などの使用。)を行います。
あとは術者の腕次第といったところでしょうか?
とにもかくにも、手術中に患者さんの眼の状態が変化しても、どんなでも対応できる、
ハード(医療設備と医療機器)+ソフト(医師の知識・経験・技量)が必要であることは間違いありませんね!!